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形成外科・小児形成外科

小児形成外科疾患について

小児形成外科疾患

口唇口蓋裂

チームを組んで取り組む口唇口蓋裂治療

口唇口蓋裂の治療には、裂をきれいに閉じて見た目を整えるという美容形成外科治療と、そしゃくや噛み合わせなどを完全な状態にするための矯正歯科治療、そして上手におしゃべりをするためにきれいな発音ができるように訓練する言語治療の3つの柱があります。この全てが高いレベルにないと良い治療とは言えません。当科の口唇口蓋裂チームにはその全ての柱のエキスパートが在籍しておりますので、安心して治療を受けていただけます。

チームには小児形成外科医、小児耳鼻科医、新生児科医師、産婦人科医師、矯正歯科医師、言語聴覚士が在籍しております。

先天性耳介変形 (副耳、埋没耳変形、折れ耳変形、小耳症)

先天性耳介変形とは?

耳の上部1/3が少し小さいために、変形が生じることがあります。見てもあまりわからないようなわずかな変形もあれば、病名がつくような比較的はっきりとした変形もあります。

名前がつく変形としては、埋没耳変形、折れ耳変形があります。

重度の耳介変形としては小耳症があります。耳を構成する要素のうち耳たぶのみが認められる小耳症(耳垂残存型小耳症)と耳の穴(外耳道)が存存した小耳症(耳甲介残存型小耳症)に分けられます。

埋没耳などの軽微な耳介変形の治療

生後すぐであれば、埋没耳などの軽微な変形では、テープなどを用いて、軟骨の形を整えてあげるだけで変形が矯正されることがあります。

矯正がうまくいかなかったり、変形が残存する場合は5歳くらいまで待って、簡単な手術で耳の形態を整えてあげると良い結果が得られます。

小耳症の治療

小耳症では外耳道が閉鎖していることが多いので、通常は難聴を伴います。耳の聞こえは言語の発達に大きく関わっているために、小耳症の治療においてはまずは聞こえの状態を正確に把握する必要があります。小耳症には片側にだけ小耳症を認める場合と、両側に認める場合がありますが、おおまかに言って、片側症例では言語発達に必要なだけの聴力は保たれていることが多いです。両側の場合は、補聴器などを適切に使用して言語発達に必要な聴力を得る必要があります。ですので、耳鼻科にて聴力の正確な評価がまず必要となります。

小耳症

形成外科では耳の形を造る治療を行います。当科では永田法に準じた方法を用いています。耳は自分の胸の軟骨(肋軟骨)を用いて作成します。ほとんどの症例で、11歳時と12歳時の2期に分けて手術を行っています。

1回目の手術では肋軟骨を耳の軟骨の形に組み上げて(フレームワーク)、側頭部の皮下ポケットに納めます。1年後の2回目の手術では、耳の後面を側頭部から切り離して聳立(しょうりつ)させます。これで大きな手術は終了となり、あとは必要があるときにメンテナンス(脱毛など)を適宜おこないます。

眼瞼疾患(先天性眼瞼下垂症,睫毛内反症)

軽度の下垂に対しては挙筋短縮術を、高度の下垂に対しては筋膜移植術を行います。
睫毛内反症に対してはホッツ法を行います。

まぶたの手術について

睫毛内反症の治療

生まれつき、まつ毛が内側を向いて生えているために、睫毛が角膜を刺激して痛みを生じます。下眼瞼の内側に生じることが多いです。上眼瞼に生じることもあります。当科ではホッツ法という方法を用いて治療を行います。下眼瞼の睫毛の1ミリほど下を切開して、少し皮膚を切除して、睫毛が外を向くように皮膚を縫合します。

上眼瞼の睫毛内反症に対しては、切開法による重瞼作成術で治療を行います。

先天性眼瞼下垂症の治療

まぶたを持ち上げる筋肉の働きが生まれつき弱く、まぶたが下がっている状態です。多くは片側性ですが、両側性のこともあります。まぶたを持ち上げる筋力が比較的保たれているケースでは挙筋短縮術を行います。まぶたを持ち上げる筋力があまりないケース(こちらが多いです。)では筋膜を移植して、額の筋肉の力を用いてまぶたを持ち上げる手術を行います。(吊り上げ手術)

先天性眼瞼下垂に対する筋膜移植のシェーマ 左眼の皮下に筋膜を移植
(図の説明:先天性眼瞼下垂に対する筋膜移植のシェーマ 左眼の皮下に筋膜を移植)

母指多指症,合指症,多合趾症などの四肢先天異常

生まれつき手足の指が通常より多い場合を多指症といいます。手の場合は、母指側に多く、足の場合は小趾側に多く認めます。前者の場合は、通常生後6ヵ月から1歳の間で手術を行います。後者の場合は、生後10ヵ月から1歳前後に手術を行います。

母指多指症

また生まれつき指が癒着している場合を合指症といい、主に足趾に多く認めます。癒着のタイプにより、皮膚の移植を必要とする場合と必要としない場合があります。多指症と合指症の両者を合併している場合は、多合指(趾)症といいます。手術の時期は前述と同様です。

多合指(趾)症

あざの治療(血管腫、太田母斑、異所性蒙古斑など)

血管腫に対してはβブロッカー(ヘマンジオルシロップ)内服とVBEAM IIレーザーによる治療。太田母斑、異所性蒙古斑に対してはQスイッチルビーレーザーによる治療。

静脈奇形(単純性血管腫)、乳児(いちご状)血管腫、毛細血管拡張症などの赤色系の疾患に対して色素レーザーを使用して治療を行っています。急速に増大する乳児血管腫(いちご状血管腫)に対しては、内服効果が認められるβブロッカー内服治療を行っています。また異所性蒙古斑、太田母斑、扁平母斑などの青色、茶色系のあざに対してはQスイッチルビーレーザーを使用して治療します。