鼻中隔鼻形成術について
当院における鼻中隔鼻形成術（septo-rhinoplasty）について
鼻閉（鼻づまり）は、日常生活に大きな支障をきたす症状です。特に、鼻中隔湾曲症という状態では、鼻の中を仕切る軟骨と骨が曲がっているために鼻閉が引き起こされます。また、鼻中隔湾曲症には斜鼻（鼻が左右に曲がっている状態）が伴うことが多いです。これらの症状を解消するためには、耳鼻科と形成外科が協力して行う鼻形成術が非常に有効です。ここでは、鼻形成術の詳細とその利点について説明します。
鼻中隔湾曲症と斜鼻変形を理解する
鼻中隔湾曲症とは？
鼻中隔湾曲症は、鼻中隔（鼻の内部を左右に分ける軟骨と骨の仕切り）が曲がっている状態です。この曲がりにより、鼻の片側または両側が狭くなり、空気の通りが悪くなって鼻閉を引き起こします。原因としては、先天的なものや外傷、成長過程での変形などが考えられます。
斜鼻変形とは？
斜鼻変形は、鼻が顔の中央から左右どちらかに曲がっている状態です。これは鼻中隔湾曲症と関連していることが多く、外見的な問題に加えて、機能的にも鼻閉を引き起こすことがあります。
鼻中隔形成術の概要
鼻中隔鼻形成術は、鼻の内部と外部の構造を整える手術です。この手術では、耳鼻科医と形成外科医が共同で行い、鼻閉と斜鼻変形の両方を同時に解消することが可能です。
手術の目的
- 鼻閉の解消 ： 鼻中隔を真っ直ぐにすることで、鼻の通りを良くします。
- 外見の改善 ： 斜鼻を矯正し、顔のバランスを整えます。
鼻形成術の手術プロセス
- 診断と計画
・まず、耳鼻科医と形成外科医が共同で診察を行い、鼻中隔湾曲症と斜鼻変形の程度を評価します。
CTスキャンや内視鏡検査などを用いて、詳細な診断を行います。
・患者さんと相談しながら、手術の計画を立てます。
具体的には、どのように鼻中隔を矯正し、鼻の形を整えるかを決定します。 - 手術の準備
・手術は全身麻酔で行います。
・術中の感染を防ぐために、消毒を行います。 - 鼻中隔の矯正
・耳鼻科医が鼻の内部にアクセスし、曲がった鼻中隔を矯正します。
必要に応じて、余分な軟骨や骨を取り除き、鼻中隔を真っ直ぐに整えます。
- 外見の矯正
次に、形成外科医が外部からのアプローチで鼻の形を整えます。斜鼻変形を修正し、鼻の左右対称性を改善します。軟骨や骨の再配置を行い、鼻の形を整えるために必要な手技を実施します。
計測器を用いて正確な手術を行います。 - 仕上げと固定
手術が完了したら、鼻を適切に固定して安定させます。
内部にはシリコンスプリントやガーゼを入れ、外部には固定用のテープやギプスを装着します。
手術後のケアと回復
手術後の管理
- 手術後は鼻の内部にガーゼが入っているため、鼻からの呼吸が困難になります。
手術翌日にガーゼを抜去すると鼻が通ります。 - 腫れや内出血が生じることがありますが、通常は１週間で改善します。
回復期の注意点
- 術後は、鼻を強くこすったり、圧力をかけたりしないように注意してください。
- 医師の指示に従い、処方された薬を適切に使用してください。
- 定期的に診察を受けてください。
鼻形成術の利点
- 呼吸の改善
鼻中隔湾曲症の矯正により、鼻の通りが良くなり、呼吸が楽になります。これにより、日常生活の質が向上します。
特に、睡眠時の呼吸が改善されることで、いびきや無呼吸症候群のリスクが軽減されることも期待できます。 - 美的改善
斜鼻変形を修正することで、顔のバランスが整い、見た目が改善されます。自分の外見に自信を持つことができるようになり、心理的な満足感も高まります。 - 一度の手術で多くの問題を解決
耳鼻科医と形成外科医が共同で手術を行うことで、鼻閉と斜鼻変形を同時に治療することが可能です。これにより、複数回の手術を避け、一度の手術で多くの問題を解決できます。
鼻形成術を考えている方へのメッセージ
鼻閉や斜鼻変形でお悩みの方は、鼻形成術が有力な選択肢となります。この手術は、機能的な問題と美的な問題を同時に解決できるため、生活の質を大きく向上させる可能性があります。手術を検討する際は、耳鼻科医と形成外科医の専門的な診断とアドバイスを受けることが重要です。どのような手術が最適かを十分に理解し、安心して治療を受けていただけるように準備しましょう。
まとめ
鼻中隔鼻形成術は、鼻中隔湾曲症と斜鼻変形の両方を同時に治療するための効果的な手術です。耳鼻科医と形成外科医が共同で行うことで、呼吸の改善と外見の美的改善を同時に達成することができます。手術を通じて、鼻閉や斜鼻変形による不快感を解消し、より快適で自信に満ちた日常生活を取り戻しましょう。手術に関する疑問や不安がある場合は、専門医にご相談いただき、最適な治療計画を立てるお手伝いをさせていただきます。
