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呼吸器外科

最新の医療情報

ほぼ全ての手術で胸腔鏡(4K・ハイビジョンカメラ)を使用し、極めて鮮明で良好な視野のもとに、傷の小さい、短時間での手術で、体への負担が少ない「低侵襲手術」に努めています。

2021年から、さらなる低侵襲で、精密な手術を行うため、da Vinci Surgical System(ダヴィンチサージカルシステム)によるロボット支援下肺葉切除・肺区域切除術を開始し、肺悪性腫瘍(肺癌や転移性肺腫瘍など)と縦隔腫瘍に対して手術を行っています。ロボット工学を利用したダヴィンチ手術では、手ブレが無く、人の手では出来ない様な自由な動きと、より精密な動きが可能で、3D内視鏡による立体視とズームアップによる接近・拡大視のもとで手術が可能となっています。

早期・小型肺がんは一般に腫瘤影は小さく、術前の確定診断が難しいとされています。診断にはMDCT(多重検出器列CT)による詳細な画像や立体再構成画像を用いて三次元的に病巣を把握するとともに、画像から仮想気管支鏡像を作成し、これを併用した呼吸器超音波内視鏡検査(EBUS)による生検により術前診断率の向上や早期診断を心がけています。これでも診断が難しく、確定診断が得られない際には、全身麻酔が必要になりますが、胸腔鏡手術により腫瘤部の肺切除を行って診断を行います。診断がつけばそのまま続いて肺癌の根治手術を行います。根治手術も適応を厳選した上で、区域切除術や広範部分切除術などの積極的縮小手術を行っています。

診断や手術に際しては、病変と気管支や肺動静脈の内部構造をそれぞれ色分けした上で、3Dの立体画像をCT画像から再構築し、これを体の実際の向きや臓器の位置に合わせて術中にリアルタイムで回転したり、反対側から見た形を描出したりすることで、より正確で迅速な病変へのアプローチと安全な検査・手術に役立てています。