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心臓血管外科


概要

心臓血管外科

心臓血管外科は2004年7月に新設された診療科です。循環器内科と連携して、心臓や血管の傷んだところを手術で治します。
循環器内科の一連の治療のひとつに「手術」が選択され、連携を保ちながら診療が行なわれます。特徴として、必要な場合は人工心肺という機械を使い、心臓を止めて治療が行なえることです。この心臓に対する手術は1950年ころから始まり、技術は日進月歩しています。


大きな手術ですが、心臓病で苦しかった症状が、術後の痛みが消えたころには以前より元気になったと自覚することが多くみられます。侵襲やリスクも低下しており、2016年度当科で冠動脈や弁膜症などの心臓単独疾患に対する治療では、無輸血手術が35%、死亡率0%でした。


心臓血管手術は、特にチームの力が重要です。当院では心臓血管センターとして循環器内科と心臓血管外科が密に連携して一人一人の患者様の治療を連続して行っています。また麻酔科、放射線科、看護師、臨床工学士、リハビリ科医師、リハビリ技師、放射線技師と、診断/治療のステージに応じて密な連携を取りながら診療しています。

医師の写真


心臓や血管の疾患を持つ患者さまは、心臓血管病のみならず、脳血管疾患や糖尿病、腎臓病をも併発していることが多くあります。また呼吸器疾患、消化器病などを同時にお持ちのこともあります。当院は伝統的に診療科同士の連携がよい総合病院であるという強みを生かして、多角的に診療にあたることで、よい治療成績を上げています。
 

冠状動脈バイパス術 心臓の動脈(冠状動脈)が細くなって生じる狭心症
弁形成術・弁置換術 心臓の弁が機能障害を生じた弁膜症
不整脈手術 心筋梗塞後に起こった心臓の合併症や弁膜症などに合併する一部の不整脈
人工血管置換術 大動脈が拡大したり、大動脈の壁が剥離した場合(大動脈瘤・大動脈解離症)
バイパスの手術 末梢血管の血流障害


より安全で、回復が早く、効果の大きい治療をおすすめいたしますが、多くの場合は、手術方法に選択が可能ですので、ご相談しながら診療を行ないます。

スタッフ紹介

莇 隆 (あざみ たかし)

役職 副医務部長、心臓血管外科部長
学会専門医・認定医
三学会構成心臓血管外科専門医認定機構心臓血管外科専門医
日本外科学会外科専門医
日本消化器外科学会消化器外科認定医
神戸大学医学部臨床准教授

佐藤 俊輔

役職 副部長
学会専門医・認定医
三学会構成心臓血管外科専門医認定機構心臓血管外科専門医
日本外科学会外科認専門医

治療スケジュールについて

心臓血管外科では救急度にあわせて手術が行われます。救急外来受診直後に緊急手術が行われる事もありますが、通常は仕事や家庭のスケジュールを考慮して手術の日程を決めます。

手術当日から全身状態が安定するまでは、通常2〜3日前後の間、集中治療室で治療が行われます。その後、退院までは全身状態・年齢・術後検査内容などで異なりますが、1~3週間前後です。退院後はかかりつけ医の先生が治療されますが、状況により定期的に当院にも通院していただくことがあります。

病気について

狭心症・心筋梗塞

心臓の筋肉(心筋)に血液を運ぶ「冠状動脈」が狭くなり、あるいは詰まり、心筋の活動に必要な量の血液が流れなくなって起こります。心筋が回復する可能性がある場合が狭心症で、心筋が死滅(壊死)すると、その部分は回復せず、心筋梗塞といいます。狭心症や、心筋梗塞による破裂・拡大などの合併症は必要により手術を行い、冠状動脈の血流が障害された部分をバイパスする別の血流の経路を作成します(冠状動脈バイパス術)。適応がある場合は、体外循環(人工心肺)という機械を使わずに、心臓が動いている状態で手術を行います。

心臓弁膜症

「弁」は、心臓に4か所あります。血液が円滑に流れ、また、逆流を防止する構造になっています。変性・感染・炎症などでその機能が傷害されると、心臓が弱り、息切れ・全身倦怠感・胸痛・浮腫などが生じます。手術では、いたんだ心臓の弁を修復、あるいは人工の弁で置き換える弁形成術あるいは弁置換術行いますが、できるだけ自己組織を温存し、人工物の移植を少なくするように工夫しております。

大動脈解離症

大動脈壁の内と外の層が剥がれていく病気です。破裂や血流の途絶する危険性があります。いずれも、カテーテルでの治療もありますが、多くは外科で人工血管に置き換える治療が行なわれます。

大動脈瘤

大動脈が風船のように拡大する病気です。症状がなくても、血圧・拡大の大きさと形・壁の状態などによっては、破裂する危険性があります。大動脈が拡大したりした場合で手術が必要な時は、痛んだ動脈を人工血管で置き換えます。

心臓血管外科手術についてのご相談を以下のフォームで受け付けています

<患者さまへ>
心臓の手術を考えておられる方、手術が必要と言われた方、将来手術が必要になるだろうと言われる方、現在の治療について不安をお持ちの方など、なんでもご相談ください。

<開業医の先生方や他院の先生方へ>
紹介しようかどうか迷われている患者さまがおられる場合、手術リスクがどれくらいあるのか知りたい場合など、なんでも気軽にお問い合わせください。
早い段階での紹介が早期発見、早期治療につながります。早い段階でご相談していただいた結果、弁形成が可能であったり、心機能を落とさずに治療が行えたり、慎重なフォローにより安全に経過出来る患者さまが多数おられます。

手術適応はガイドラインに準じて診断いたします。客観性を確保し、必要以上に手術をお勧めすることはいたしません。安心してご相談ください。

<お問い合わせ>

メールでのお問い合わせ
※回答には日数がかかる場合がございます。
※お問い合わせフォーム内の「お問い合わせ内容」という項目で
 必ず「心臓血管外科手術について」をご選択ください。

<メールでのお問い合わせでお受けできないこと>
・診察の予約、日程変更、キャンセル

とりくみ

個々の患者さまに最適な治療を提供するために、当科では一般的な心臓血管手術に加えて、以下の取り組みをしています。

心臓弁膜症

従来の弁形成術及び弁置換術に加えて、

  • ・肋間開胸や胸骨部分切開による低侵襲心臓手術(MICS)
  • ・僧帽弁病変に対する両弁腱索温存僧帽弁置換術
  • ・大動脈弁逆流に対する弁形成術
  • ・僧帽弁逆流に対する弁形成術

冠動脈疾患

従来の冠動脈バイパス術に加えて、

  • ・人工心肺を使用しない心拍動下冠動脈バイパス術

不整脈(心房細動や心房粗動など)

従来のメイズ手術及び左心耳閉鎖術に加えて、

  • ・巨大左房への左房縫縮術

大動脈瘤

従来の人工血管置換術に加え、

  • ・大動脈基部病変に対する自己弁温存基部置換術
  • ・胸腹部大動脈瘤に対する胸腹部大動脈人工血管置換術
  • ・胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術
  • ・腹部大動脈瘤と消化器癌や鼠径ヘルニアなどの疾患合併例に対する、動脈瘤手術および消化器外科手術の同時手術

閉塞性動脈硬化症

従来のバイパス術や動脈内膜剥離術に加え、

  • ・遠位末梢動脈へのバイパス術
  • ・循環器内科のカテーテル治療を同時に施行するハイブリッド手術
  • ・末梢動脈瘤に対する修復術

定期手術全例への取り組み

心臓や血管の疾患を持つ患者さまは、心臓血管病のみならず、脳血管疾患や糖尿病、腎臓病をも併発していることが多くあります。また呼吸器疾患、消化器病などを同時にお持ちのこともあります。 当院は伝統的に科同士の連携がよい総合病院であるという強みを生かして、多角的に診療にあたることで、よい治療成績を上げています。

  • ・術前リハビリの実施と、術後早期リハビリ。また週末も絶え間ないリハビリ継続により、術後体力の早期回復が実現しています。
  • ・管理栄養士による入院中の個別栄養指導
  • ・糖尿病合併例に対する糖尿病内分泌内科併診による周術期血糖管理
  • ・腎不全合併例に対する腎臓内科併診による周術期管理