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#救急診療#診療科連携

“全人医療”で地域医療を支える大阪屈指の救急対応件数

二次救急告示病院でありながら、内因性疾患に関しては重症度の高い三次救急まで幅広く対応可能な淀川キリスト教病院の救急科。強力な態勢で24時間365日医療を提供する同科の取り組みと役割について、話を聞きました。

東淀川区の救急医療を支える

夏川知 当院の救急科は年間およそ9000台の救急車を受け入れています。大阪のなかでも、恐らくトップ5に入る受け入れ台数です。

夏川麻 東淀川区には救急を受けている大きな病院がもう1件ありましたが、移転したため当院が受ける救急の件数はさらに増えてきています。およそ18万人の区民の皆さんの急な病気やけがは、ほとんど当院で診ている感じですね。

長田 区内に限らず、吹田市や豊中市が近いのでそちらから搬送されてくることも多いですね。

夏川 知輝
救急科部長・救急センター長
“困難な患者さんから逃げないことが
より良い救急医の育成にもつながるはず”

夏川知 救急隊も患者さんの状態や重症度を評価して搬送先を選ぶにあたって、当院に搬送すれば対応できるという信頼関係があるのかもしれません。これは私たちが着任する以前から積み重ねてきたものだと思います。


長田 この4月からは救急科の常勤医が4名加わって10名になりましたし、さらに多くの患者さんを受け入れられそうです。

夏川麻 救急は24時間365日受け入れていますが、そのうち夜間や日曜・祝日などは他の診療科の医師に応援してもらっています。しかし人員が増えた分、救急医がカバーする時間帯をさらに増やせるはずです。

夏川知 本年度は救急車の受け入れ台数が1万台を超えるかもしれませんね。

初期診療から専門医療につなげる

夏川麻 当院の特長として、リウマチ膠原病内科や血液内科、歯科口腔外科など、多くの総合病院にはない貴重な診療科を擁していることが挙げられます。

夏川知 救急医というのは広い範囲を診られるようにトレーニングしています。6割から7割の患者さんは私たちが行える一般的な治療で問題ありませんが、一方で専門的な治療を要する患者さんも必ず出てきます。そのときに任せられる専門診療科の選択肢が広いのは、救急医としてとても心強いです。

夏川 麻衣 救急科 医長
“多様な診療科を背景に
幅広い困りごとに対応します”

長田 「特殊な病気だから別の病院へ転院してもらわなければならない」となるところが、当院なら救急から専門的な治療にまでつなげられます。ジェネラリストである救急科と、各診療科の幅広いスペシャリストたちがコラボレーションできることが当院の特長ですね。


夏川知 すでに各診療科にかかっている患者さんにとっても、救急科の存在がメリットになる面もあります。救急科がない、もしくは受付時間が限られている病院だと、その病院に何らかの病気でかかっている患者さんの具合が悪くなった、あるいは熱が出て不安だから緊急で受診したいといったケースでも受け入れてもらえないことがあるんです。しかし当院ならまず救急で受け入れ、必要であればもともとかかっている診療科にお任せするという判断もできます。


長田 各診療科と救急科がバランスよくあることで、それぞれの専門的な治療を安心して受けていただけるメリットがありますね。


夏川麻 また私たちは幅広い領域を診療する一方で、専門の分野も持っています。私は小児科なんですが、一般的に小児科は内科的な病気を診ますが外傷を診ないこともあるんです。救急では子どものけがや、病気かけがかはっきりわからないようなケースを診たり、そういったニーズをキャッチするのも私の役割だと思っています。

夏川知 私は循環器、長田先生は集中治療を専門としており、それぞれの専門性を活かしながら救急に携わっています。

患者の背景を問わず受け入れる

夏川知 救急センターにはさまざまな患者さんが運ばれてきます。なかには社会的背景が複雑な患者さんもおられ、そういった患者さんは一般的には受け入れが難しいのかもしれません。しかしそこにも救いの手を差し伸べるのが当院の理念である「全人医療」との考えから、可能な限り受け入れるようにしています。

救急科 長田 俊彦 医長
“ER型救急として、軽症から
重症まで初期診療を行います”

長田 私は初期研修医として当院で勤め、その後は別の病院でも救急を経験しました。研修医の頃は複数の健康問題を抱えていたり、生活環境や家族関係の問題があるマルチプロブレムな患者さんを診るにあたって戸惑うこともありました。
しかしいろいろな経験を振り返って思うのは、当院は本当に困っている患者さんをたくさん受け入れている病院だということです。もちろんそのためにはバックアップがなければ成り立たないので、いつも各診療科のご協力に感謝しています。

夏川麻 当院自体が救急に理解があると言うか、新しい取り組みを提案しても積極的に支えてもらえますし、私たちが病院とは別に所属している災害人道医療支援会「HuMA」の活動で令和6年能登半島地震の災害支援に赴く際も、病院から医療資材の寄付や救急車の使用を許可してもらうなど多大な協力を得られました。こうした人道的価値観を持つ当院の理念に則り、これからも救急医療に専念したいと思います。

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取材日:2024年4月

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