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循環器内科

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学会発表・症例報告のお知らせ

循環器内科 竹重医長が2020年10月に開催された第35回日本心血管インターベンション治療学会 近畿地方会にて症例報告を行いました。

バイパス術後の不安定狭心症の原因として、左鎖骨下動脈の狭窄が関与していると診断し、同部位への末梢血管形成術により胸部症状の改善を得ることができた症例でした。血管造影検査時のカテーテル通過困難から狭窄を発見、日ごろからの注意深いカテーテル操作の重要性を再認識させられました。
当院に赴任して早々に経験した症例ですが、今後も竹重先生にはカテーテル治療で幅広い活躍を期待しています。

当院初期研修医・後期研修医の3名が2020年11月に開催された第130回日本循環器学会近畿地方会にて症例報告を行いました。

まず、初期研修医1年目の伊藤先生からは腹部大動脈狭窄が原因で血圧コントロールに難渋し、腎機能低下、間欠性跛行を併発した症例でした。動脈硬化が強く、CTでは診断困難な症例をカテーテル検査にて評価。最終的にカテーテルにて治療を行い、血圧は安定化していますが、今後の再発に注意が必要です。 伊藤先生にとって初めての学会発表でしたが、とても落ち着いて質疑応答に対応できており、現在、今後の進路を検討中とのことですが、循環器内科の一員として頑張ってくれることを願っています。

次に初期研修医2年目の中辻先生からは心不全が原因で意識障害をきたした症例でした。来院時、低血糖をきたしていましたが、補正後も改善せず、その他、意識障害の検索を行いましたが、原因ははっきりしませんでした。最終的に心不全の改善とともに意識状態も改善し、右心不全による肝障害が原因と判断。呼吸不全や浮腫などに気を取られがちな病態ではありますが、意識障害の鑑別疾患の1つとしてとても教育的な症例でした。 他院にて後期研修を行う中辻先生ですが、当院での経験をいかしてより一層の活躍を期待しています。

最後に循環器内科後期研修医1年目野杁先生からはカテーテルアブレーション後の合併症についての症例でした。房室ブロックや心タンポナーデ、血栓塞栓症などは術直後の合併症として一般的ではありますが、本症例では、他院で施行されたアブレーション後の慢性期に左房内に血栓を認めました。非常にまれではありますが、慢性期にも定期的なフォローが必要と認識させられる症例でした。 後期研修医としてより専門的な発表に取り組み始めた野杁先生ですが、今後も様々なジャンルでの発表や研究発表に期待しています。

当院初期研修医の2名が2020年12月に開催された第230回日本内科学会近畿地方会にて症例報告を行いました。

まず、初期研修医1年目の名村先生から若手奨励賞セッションにて、抗M2抗体陽性心筋症の症例を報告しました。慢性心不全患者が労作時の倦怠感を主訴に入院。心肺運動負荷試験(CPX)を行い、心不全ではなく骨格筋の筋炎増悪であったことを鑑別しました。CPXの理解は非常に難しく、どうわかりやすく伝えるか準備段階で非常に苦労していました。内科志望の名村先生ですが、初めての学会発表を堂々とこなしており、今後の成長が楽しみです。

次に初期研修医2年目の成田先生から感染性大動脈瘤の症例でした。入院時はCTに所見はなく、腹痛が生じてから再度CTにて評価を行ったところ、徐々に腹部大動脈の炎症所見と瘤化を確認できた珍しい経過でした。感染性動脈瘤の経時的変化は不明な点が多く、破裂前に手術を行い、救命することができ、今後の診療に一石を投じる発表でした。 小児科医を目指している成田先生ですが、今回の発表を通じて1症例ごとに深く掘り下げることが疾患の理解や今後の診療につながることを学んでもらえたかと思います。