当院後期研修医 野杁純一先生が2023年3月に開催された第87回日本循環器学会学術集会にて症例報告を行いました
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)により劇症型心筋炎をきたし、複数の検査で経過を評価し治療した症例について報告しました。
EGPAは非常にまれな全身性壊死性血管炎であり、複数の臓器に症状が出現する疾患です。特に心臓病変を合併する場合には予後不良とされています。また心臓病変を有する場合には再発が多いことも報告されています。そのため、早期に診断し適切な治療、慎重な病勢の評価が重要です。本症例は血液検査、心エコー図検査、心臓MRI、病理所見を用いて心臓病変の経時的評価を行い、免疫抑制治療の適切な調整により良好な転帰を得ることができました。今回の発表ではEGPA心筋炎の経過や心臓と心臓以外の病変の関連性についても考察しました。
本症例は他科の先生方にご協力いただき治療することができました。リウマチ膠原病内科・呼吸器内科・脳血管神経内科・病理診断科の先生方には治療のみならず疾患についてのご指導もいただき大変感謝しております。今後も診療科の垣根を越えて患者さんにとってより良い治療を模索できるような医師となれるよう日々励んでいきたいと思います。最後に診療から発表までご指導くださった松添弘樹先生に感謝申し上げます。