当院後期研修医 高橋先生が2022年6月に開催された第133回日本循環器学会近畿地方会にて症例報告を行いました
強心薬持続投与からの離脱にイバブラジン内服が奏功した高度収縮不全心の一例を発表しました。拡張型心筋症様の高度収縮不全により血圧低下が遷延し、強心薬離脱と、β遮断薬の増量に難渋した症例でしたが、心収縮力を落とさずに脈拍を落とす作用をもつイバブラジンの併用により、血圧上昇、脈拍低下を認め、強心薬離脱とβ遮断薬増量に成功しました。
イバブラジンは認容最大量のβ遮断薬やその他適切な薬物療法後も脈拍が75bpm未満にならない慢性期心不全症例に対して適応がありますが、当施設では急性期使用により頻脈改善、血圧上昇、EF上昇を認めた症例を経験しており、本症例はそのうちの一つでした。 心不全はファンタスティックフォーと呼ばれる新薬をはじめ、イバブラジンの登場など、発展が期待される分野です。心不全患者のQOL上昇や予後改善については興味がある分野でしたので、今回勉強する機会をいただけて感謝しております。本症例での学びを今後に生かしていけるように精進してまいります。
(文責 高橋)