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アトピー性皮膚炎の人達はアトピーの原因をどう考えるか

 

アトピーの診察風景2

 

その1(ステロイド依存)

美人で肌の綺麗な女性が診察を受けに来られました。
『どうされました?』「ステロイドを止めたいのです」
『止めればいいですよ、副作用の萎縮も毛細血管拡張も何もありません。ステロイドを塗る必要も無い皮膚です。』「いいえ、ステロイドを塗るのを1日でも止めると真っ赤になって仕事にいけません。」
『そんなことは無いでしょう。簡単に止められるはずです。』「仕事を辞めましたから、入院してステロイドを止めさせて欲しい」
といわれました。仕事がストレスになっているだけなら、仕事を辞めるとステロイドは不要になる。入院する必要は無いと思いましたが、強い希望がありましたから、入院してステロイドを止めてもらいました。結果は、離脱皮膚炎が1週間ほど出ることが多いのですが、この方はそれも起こらず綺麗な状態のままでした。2週間病院に入院してもらいましたが何も起こりませんでした。結婚式を控えてステロイドを止めなければという気持ちがマイナスにもプラスにも働いたと思っています。

 

その2(ステロイドは2度と使いたくない例)

外来が終わってホッとして診察室を出ると「お久しぶりです。誰だかわかりますか?」と茶髪の青年が立っていました。
『名前を覚えるのは下手だが、あなたは覚えていますよ。苦労したもの。』『今日はどうしたの?』
「入院から5年、体調も良くなったから台湾に行って仕事をしようと思っています。当分帰らないから挨拶に来ました。」
『それはありがとう。それにしても綺麗になったね。アトピーがあったと分からないくらいになっているね。』
入院中は体中から汁が出ることが多く、ベットから動けない時期も長くありました。私から『頼む、ステロイドを使ってコントロールしなおしてくれ』と頼んだこともありました。「これまで、ステロイドが効かなくなって止めても、どうしようもなくなってステロイドを再使用する事を繰り返してきた。今回はきっぱりと止めたい。ステロイド再使用の話も出さないで欲しい」『そんなに決意が固いなら、ステロイドの話はしない、頑張れ。しかし、他に良い方法は無いから治ると信じて食べられるときは食べること。感染症は医療者側が気をつける。』
しかし、8ヶ月位入院治療を続けたが好転の兆しはみえませんでした。父親が伊豆に温泉つきの別荘を持っており一緒に住めるということでしたから手紙、電話などで連絡を取るようにして転地療法に切り替えさせてもらいました。1年くらいはあまり良くない、少しましになったなどの連絡がありましたが、そのうち連絡が途絶えてしまいました。風のうわさに良くなってサーファーとか、ドラマーになったと聞こえてきていました。
「チャペルが見えてきたときにポロリと涙が出てきた。私は頑張ってステロイドを使わないで良くなったが、しんどかったのも間違いありません。他の人に自分の経験を押し付けることは出来ません」といって旅立っていきました。

 

その3(アトピーの方の考え方)

「退院したら、あれもこれもしなければなりません。今まで休んでいた分をお返ししなければなりません。」
『それをやっちゃダメ。』『頑張ったらだめ、ぼちぼちやらないと』『骨折や胃がんの手術の後は、退院したらリハビリをするでしょう。アトピーも病気ですから退院したらリハビリをしなければ』『入院している間は100%自分の時間、退院したら自分の時間が0になって家族のためや仕事のために精力を使ってしまう。それではダメです。』『目標を設定して、その90%が出来ても「ダメな私」になってしまう。入院して何も出来なかったわけですから、2割でも3割でも出来たら大きな顔をしていたらよい。それが、リハビリです。』
入院中にはめきめき綺麗になって、元気になる人も多い。しかし退院してすぐに悪くなってしまう人もいます。アトピーの人の性格は白黒つけないと前に進めない人が多い。完璧に遣り上げないと納得できない人が多い。ぼちぼちやるとか、出来ることからやっていくとは考えない人が多い。周りの人達も「完璧に治して来い。」「完全に良くなるまで入院させてもらえ。」と激励する人が多い。アトピー性皮膚炎は皮膚の病気だけではなく考え方の病気です。ぼちぼちやろう、アトピーでも出来ることからやっていこう、治してもらう病気で無く自分で気づいて治っていくと考えられるようにならないと、良くなりません。

 

その4(子供の喘息が食物アレルギーが原因といわれアトピー性皮膚炎になった母親)

30歳過ぎの女性。顔面が真っ赤に腫脹して浸出液も出ています。体幹はあちこちに紅斑・落屑がありました。
「入院させてください。」『どうされたのですか?』
「元々は皮膚のトラブルは無かったのです。生まれた子供が喘息で半年前に入院したことがあります。そのときに血液検査をして卵と牛乳のアレルギーだから、母乳を続けるなら、お母さんも卵と牛乳を止めなさいといわれました。」「1ヶ月前から顔が赤くなって痒くなり、1週間前から顔から汁が出るようになりました。」
『長く使っていたステロイドを急に止めたら、酷くなります。』「私は薬を何も塗っていません。」『えっ、何も塗っていない。本当ですか。どう診てもリバウンド症状のように見えます。』
「牛肉も鶏肉を止めなさいといわれ何を食べたらよいのか、だんだん食べる物がなくなって」「どうしてよいかわからなくなって、そうこうするうちにこんなになりました。」『子供さんが入院したときの喘息は卵や、牛乳が本当に原因だったのですか?』
「いいえ、風邪をこじらせたのが原因といわれました。」『そしたら、卵や、牛乳をお母さんが止める必要はありません。食べてください。血液検査が陽性で食べてもなんとも無い人は多くいます。ましてやお母さんが食べて、母乳を介して喘息が出る例はほとんどありません。』『卵アレルギーの酷い子供で、お母さんが卵を食べて、授乳すると、授乳中または直後より蕁麻疹が出る例を今まで2組の例を経験しているだけです。』『入院してもらっても構いませんが、子供さんはどうするのですか。』『食べる物で精神的に追い詰められているだけですから、食べられる、何を食べても大丈夫というように安全が確認されたら良くなってきます。』『今日は牛肉を食べてください。そして明日また来てください。』次の日には少し明るい顔で来院された。このようにして食べる物を増やしていくと1週間くらいで見違えるくらいに良くなってしまった。

 


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