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アトピー性皮膚炎の治療について |
アレルギーの治療(お知りになりたい項目のメニューボタンをクリックしてください) |アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係をどう考えるか| |
小児のアトピー性皮膚炎総論は「成人のアトピー性皮膚炎」でご説明したとおりで、小児でも同じことが言えます。ただ、「アトピー素因」がより大きく情報を左右している様です。小児の「食物アレルギー」はこの「アトピー素因」に起因するもので、食べてから1時間以内に生じる「じんましん」「喘息」、そして命にかかわってくる「アナフィラキシー」と呼ばれる反応を指します。「皮膚炎」という反応が本当に食べ物で生じるかという点においては、まだ明確な理論は確立していません。実際は怪しいと思われる「食べ物」を2週間中止して、皮膚炎が改善されない時は原因として考えない方がいいでしょう。小児の場合も「アトピー」と「皮膚炎」を分けて考えてください。当科では「アトピー性皮膚炎」という名称はかえって混乱を招くと考えて、アレルギーと無関係の「乳児皮膚炎」「小児乾燥型皮膚炎」と「皮膚炎とは別のアレルギーを持っていないかどうか」の2面でみていくことになります。 小児アトピー性皮膚炎が成人型と異なる点は、「昔からあった」ものであるということです。大気汚染がなくても、化学物質がなくても、小児のアトピー性皮膚炎はあったのです。もちろん、今問題になっている「物質」が「増悪因子」の総量を押し上げているのは間違いないところかもしれません。それでも、思春期には治るという疾患の「本質」は変化していないはずです。 「乳児皮膚炎」も「小児乾燥型皮膚炎」も、治療方針は成人と同様です。「防御能」が「増悪因子」に勝るようにすること。早く寝て早く起きる、朝陽を浴びて体を動かす、朝ごはんは余裕を持ってよく噛んで楽しく食べる‥ ストレスに対する方が成人とやや異なる所かもしれません。子供のストレスなどあって当たり前なのです。自分の下に兄弟ができれば、当然親の注目が自分から離れてしまいます。「目標」など明確にする事ができないうちに、「課題」はどんどん与えられてそれをこなしていかなければなりません。したがって、痒くなって掻いてしまう事は、ある意味「必然」と言えるかもしれません。どうすればいいのか?「がんばりやさん」になってもらうしかないでしょう。イライラして痒くなるなら「どうすればイライラしないですむのかな?」と考えることです。最終的には、「自立」することが治療につながると考えます。 乳児の場合、「掻く」タイミングは「泣く」タイミングと一致していることに気付かれているお母さんもおられるかと思います。掻いている時は、もしかしたらおしめが濡れていたり、お腹が減っていたり、寂しかったり、眠かったりしている時であるかもしれません。その状況に応じて、気分が収まる行動(おしめを替える、ミルクを与える、抱っこするなど)で掻く事がおさまることもあります。夜中に盛んに掻くという赤ちゃんは、「夜泣き」をしているということなのかもしれません。乳児期から幼少時期は、お母さんのストレスがそのまま子供のストレスになってしまうことがあります。よく笑って、状況を受け入れることが治療につながります。ただ、お母さんのストレスを強調しすぎると、かえって追い詰めてしまうこともあります。今よりももっと楽しく生活できるように工夫する事は、決してマイナスにはならない、という事でいいのだと思います。お母さんのストレスも「孤独」と「不安」であることが多いような気がします。 もう少し大きくなってくると、生活の中でこなさなければならない「課題」も増えてくるので、自然にストレスもアップしてきます。けれども、友達が増えたり楽しみが広がったりして、ストレスの解消を図る術が無意識のうちに身についてくると治り始める事が多くあります。逆に孤独感がつのったり、不安が大きくなったりしてくると、症状の悪化が現れてくることがあります。治療は、ハード面での生活面の注意と、ソフト面での気持ちのフォロー、「安心」を与えながら「自立」を支援すること、です。 当科では「アトピー性皮膚炎」は極めてメンタルな疾患であると考えています。ただ、規律正しい生活と食生活の充実が図れると、それだけで治っていくこともあるようです。メンタルな面での負の部分を、生活面での正の部分で補う事ができれば、「防御能」が「増悪因子」に打ち勝つことを表しているのかもしれませんし、「規律正しい生活を送る事ができるという現実」そのものが既にメンタル面の問題がクリアされているという事を示しているのかもしれません。いずれにしても、「早寝早起き・腹八分・気分よく生活できること」の実践そのものが、様々な問題をクリアできた結果であるとも言えるのでしょう。 |
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