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薬のアレルギーについて

どうして薬のアレルギーになるの?どう対処したら良いの?
私たちが薬のアレルギーについて詳しくご説明いたします。

「薬にアレルギーはありませんか?」「アレルギーを起こしたことがあります。」「何という薬ですか?」「薬の名前は聞いていません。」または「抗生物質です。」「風邪薬です。」というような会話が診察室でよくかわされます。「その時の薬は、今手元にありますか?」「いいえ、ありません。こわかったので捨ててしまいました。」これだと今まで薬で副作用を起こしたことがあるらしいということはわかりますが、実際に細菌感染があった場合に抗生物質を使いづらいですし、風邪に解熱剤も使うのをためらわせることになります。医者が一番知りたいのは、アレルギーを起こした薬の名前です。アレルギーを起こした時は必ず薬の名前を聞いておきましょう。もし聞けないならば、そのときの薬を1種類ずつ残しておきましょう。
また、なかには薬を飲んでいて発疹が出た場合は、なんでもアレルギーや薬疹だと思っている人がいます。たとえば、風疹の場合は、発疹が出る前に風邪のような症状が出ますから、この時期に薬を飲むと、あたかも薬疹のように見えます。あわてて薬を止めますと、風疹は三日ばしかとも言われているように三日ぐらいで治りますから、これを薬によるアレルギーと思い込んでいる場合もあるわけです。これは医者でもよくやる間違いです。

 

【薬のアレルギーの起こり方!】

一般に、薬のアレルギーとして問題にされるのは、大きく分けて

  1. 本当のアレルギーの場合
  2. 解熱剤、痛み止めによる喘息や蕁麻疹―イントレランスと言います―
  3. 造影剤によるショックの3つが挙げられると思います。

ただし、3. は検査の場合だけですので、ここでは治療薬として使われた時に起こる1. と2. を説明したいと思います。

 

1. 本当のアレルギーの場合

アレルギーは、生まれて初めて使った薬では起こりません。何度か、何日か使ったあとに起こります。ですから、「今まで何ともなかったのに」とは言えません。逆に使い出してから7~14日目頃に起こってくるのが一番多いと言えます。薬を続けることにより『感作』というアレルギーを起こしうる状態になる必要があるからです。学習期間がいるとも言えます。
また、牛乳、卵や金属ニッケル、コバルト等でもアレルギーが起こるように絶対にアレルギーを起こさないという薬はありません。ビタミン剤や漢方薬でもアレルギーは起こります。そうは言っても、アレルギーを起こしやすい薬と起こしにくい薬があります。抗生物質、解熱剤、血圧の薬、てんかんの薬等は起こしやすいし、逆にビタミン剤、痒み止め、漢方薬は少ないと言えます。

では、アレルギーはどうして起こるのでしょう?
感作を起こしやすい場合はどういう場合か考えてみましょう。個人の側の問題としては、肺炎等のように、どこかに感染があるとき、風邪をひいている等の炎症がある場合、女性ホルモンが多い20~30歳代の女性、抗がん剤を使用している場合、皮膚に塗った場合をあげることができます。この面からも感染症や発熱に使われる抗生物質や解熱剤のアレルギーが多いのがわかります。
アレルギーを起こしやすい薬を、このように感作を受けやすい状態の時に使いますと、感作を受ける場合があるわけです。この場合に、薬を使い続けると薬疹が出ます。素の病気が治ってしまい感作を受けた状態でも、薬を中止した場合は何の症状も出ませんが、感作が成立していますので、次の機会に同じ薬を飲んだ時には、数分~数時間で症状が出始めることになります。薬を飲んですぐに症状が出る場合は、こういう場合が多いわけです。

では、なぜ薬のアレルギーが出る人と出ない人があるのでしょうか?
一度、薬のアレルギーが出たことのある人や他のアレルギーのある人はぜんぜん何もアレルギーが無い人に比べて、別の薬によるアレルギーも出やすくなるようです。なぜそのようなことが起こるのかは、現時点ではよくわかっていません。これから解明されていくものと思います。一度でも本当に薬のアレルギーを起こしたことのある人は注意したほうが安全といえるでしょう。
アレルギーによる症状としては、即時型アレルギーの蕁麻疹やショック、遅延型アレルギーのいわゆる薬疹とに分けられます。薬疹とひとことで言い表されているわけですが、症状は多種多様で、湿疹、はしか様、多形滲出性紅斑様、固定薬疹、苔癬型等があげられます。こんな症状が薬で起こるのかと、びっくりするような場合もあります。

 

2. イントレランスの場合

これの代表的な病気はアスピリン喘息やアスピリン蕁麻疹があげられます。喘息や蕁麻疹はアレルギーの代表的な症状ですのに、その一部がアレルギーで無いというのはややこしい話で恐縮ですが、アレルギーに必要な感作を必要としません。したがって、初めて使った薬でも喘息や蕁麻疹を起こします。
代表的な薬はアスピリン等の酸性消炎鎮痛剤です。最近よく使われる強力な痛み止め、解熱剤、風邪薬は大部分がこれに含まれます。初めての薬でも起こりますので、防ぎようがないのですが、以前にこういう薬を飲んで喘息や蕁麻疹を起こしたことがある場合は、必ず医者にその旨伝えたらよいかと思います。薬の名前がわかればより良いでしょう。
この症状は薬以外でも自然の食品中に含まれるサリチル酸、着色料、防腐剤、化学調味料等でも起こります。慢性蕁麻疹の3~5割がこれによるとする報告もあります。

 

【薬のアレルギーのある人はどうすればよいか?】

薬によるアレルギーと診断された場合は、そのときに使っていた薬の名前を聞いておきましょう。数種類の薬が使われている場合はできればテストをして原因になっている薬を決めておいたほうが良いでしょう。
そして、次に病気で医者にかかる場合は、きっちりとこの薬でアレルギーが出たことを告げてください。当院では薬疹カードを発行して役立ててもらえるようにしています。


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