乳がんの治療法は最近10年前後で激変してきています。ここでは手術法について紹介致します。
【手術法について】 以前は乳がんの手術は定型乳切が標準でした(乳腺全切除+腋窩郭清+大小胸筋切除)。その後、胸筋を切除しない術式が行なわれだし、淀川キリスト教病院でも、92年頃から非定型的乳房切除(乳腺全切除+腋窩郭清)が主流になりました。 さらに、乳房温存術(乳房部分切除+腋窩郭清)がその頃から行なわれはじめ、98年頃からは最も多い術式となっております。2006年では乳房温存手術は約8割でした。
さらに、最近は腋窩郭清も省略しようという試みがなされています。リンパ節転移の無いことをセンチネルリンパ節生検という手法で確かめ、陰性ならば郭清はしないという方法です。 当院の手法は色素法ですが、2004年からCTガイドリンパ造影を用いて、さらに制度を高めています。2006年の腋窩郭清省略手術は約6割でした。
乳房温存術の導入で手術後のみかけはよくなり、さらにセンチネルリンパ節生検で術後の腕の腫れや動きの制限からも解放されるようになってきています。
最も早期の乳がんは非浸潤癌で、転移の恐れはまずありません。2006年の乳がん症例のうち非浸潤癌は10例(13%)でした。残念ながらやや大きくなった状態で発見された場合に、最近は化学療法を先に行い手術範囲を小さくすませるというやり方も増えています。2006年度では術前化学療法は11例行われました。 2007.3.20 脇田和幸
資料
治療成績: 当院での乳がん手術を受けられた方の治療成績です。 全体では、5年生存率は88%、10年生存率は75%でした。 Stage別の5年生存率は、0期は100%、1期は95%、2期は89%、3期は75%でした。
手術症例数: 2006年は年間手術数が78例、そのうち、7割が乳房温存術。 また5割がセンチネルリンパ節生検のみで腋窩郭清省略
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